a short story ✑

 

 

 

 

【あとさきの気の木の気】

 

あとさき考えず

前を進み

そんなやさきに

謎の老人に逢った

その老人は き のこかげで

遠くを見つめ、レアチーズケーキを食べていた

「本当のレアチーズケーキを君は食べたことあるかい?」

と こちらに言ったのか

あちらを走るノラ犬に言ったのかは

さだかではないが

こちらは横に首を少し

ほんの少しふった

すると老人は

「塩。塩。ソルト。ソルト。」

「塩。塩。ソルト。ソルト。」

と叫んだ。

まわりにいた昆虫たち、草が驚いて揺れるくらいの

声の大きさで

これが叫ぶということか

と納得いく

声の大きさで

こちらはただただ焦った

でもなぜか心地よかった

いや。焦りが勝ったのだろう

あせあせあせって

汗が飛び出し 吹き出し

どうしようも こうしようもなく

先ほどまで遠い目をしていた

老人を2.5歩下がって遠くから眺めることにした

人の近くから遠くからというのは

何の基準をもって判断するのだろう

人の普通、変わっているというのは

何の基準をもって判断するのだろう

わけもわからず、そのソルト・・・

塩老人

しおしお しわしわ老人を見ながら

こちらはそんなことを思った

 

 

どれくらいの

じかんが

たったろう

 

じかんなんて、もし太陽がなければ

時計がなければ

誰もが無限ループの迷子のように

何の基準もルールも決めず

動き続ける?止まり続ける?

まわり続ける?

のではないかな

 

考えれば考える程

時は止まり時が流れる

 

すると遠くに見ていたはずの

塩老人が、気づくと

こちらとの鼻がくっつくほどの目の前に

在った。居た。在る。

 

鳥の生まれたての

か弱くも未来ある声で

言った 塩老人は

 

 

「じょうおん」

 

唱えた

その後、静かに垂直にゆるやかなるスピードと熱で

4分の1のカーブを描きこちらの目の前から

というか目の前の

1コンマの連なりの

1シーンから

見えなくなった

 

 

こちらはおもう

なにをおもう

 

 

ホントウノコトハ

たんご タンゴ ただただ…

単語 キーワード

ただta…

 

キーワードで伝わるのだ

 

木のきききキキキキのき

あとさきの気の木の気の下で

 

 

 

こちらは

進まず

たちつくす

 

 

©IRORONA

 

 

 

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